藤沢 陰影礼賛の家

~築100年以上のご自宅~

お施主様は、弊社とはなんと100年以上にわたり、代々お付き合いいただいているご一家。築100年以上のご自宅にお住いの中、様々な問題に直面されていらっしゃいました。築100年以上の旧式の住宅は段差が多い。同居されているお母様はご高齢。転倒リスク要因が多く、心配されていました。また、断熱材も使用していない上に隙間風も多いため、冬の寒さは深刻です。そして、近年その発生が懸念される大地震。激甚化が進んでいる台風や異常気象などによる災害。お施主様もこれらの問題について非常に意識を高くお持ちでしたので、新築する家へのご希望は「バリアフリー」「高気密高断熱」「耐震等級3」でした。

~市街化調整区域~

土地には、市街化調整区域といって、無秩序に市街地の拡大をしないよう、開発を行わない地域があり、地方自治体ごとに都市計画法により指定されています。一般の住宅や商業施設などの建設は原則認められていません。お施主様の土地は、市街化調整区域に該当するため、まずは家を建てる大義名分を藤沢市に理解してもらい、許可を取る必要がありました。

~土地が持つ危険性とメリット・旧家はシンボルとして保存へ~

お施主様の土地は、背後に裏山の崖を背負っており、近年激甚化する様々な災害によるリスクが非常に懸念されていました。その状況を藤沢市に理解いただき、許可をいただいたものの、接道条件がかなり厳しい、同一敷地内に複数の住宅が建てられないなどの難題がいくつかありました。また、お施主様はご一族のご本家。旧家をシンボルとして残すというご希望もありましたので、敷地分割を工夫し、実現することができました。計画は苦労もありましたが、そればかりではありません。積極的な開発を行わない市街化調整区域は、自然が豊かに残っていることが多い。交通量なども比較的少ない地域が多く、静かな環境で過ごせるメリットもあります。お施主様の土地も、緑に囲まれた静かな環境ですので、そのロケーションにマッチしたデザインを目指しました。

  • 床と天井の木目が美しい玄関ホール。天井までの高さがあるミラーでさらに広がりを演出。

  • こちらの土地は、住宅密集地とは異なり、市街化調整区域のため、緑あふれるロケーションでした。そこで、弊社のスタンダードなスタイル「外に閉じて内に開く」は封印。「外に開く」を設計の軸として、緑豊富な景色を取り込むため、LDKに大きな開口部を設けました。

  • 陰影礼賛の家。谷崎潤一郎の随筆よりイメージを膨らませました。まだ電灯がなかった旧い時代。その頃の日本の美の感覚に思いをめぐらせる時、日本人の芸術的な感性は、生活と自然の一体化に真髄をとらえていたのではないかと考えました。

  • 光を取り入れつつも、どこか深みのある陰と共存することに日本的美意識を感じるのではないかと考え、意図的に明るいところと暗いところを演出できるよう、建築的に工夫を凝らしました。

  • リビングの空間構成には特にこだわりました。意図的に天井高の低いところをつくり、残りの部分を吹き抜けにすることで、一つの空間に変化をもたらしました。より開放感を感じることができる空間が完成しました。

  • リビングの一角に設けられた書斎コーナー。壁に包み込まれているような心地よい広さ。切り取られたような絶妙なバランスの窓から見る外の景色に癒されます。

  • リビング同様、外の景色を取り込み、内と外の空間を一体的に活用することで、効果的に開放感を体験できる仕組みをつくりました。

  • 白と木目がシンプルで美しいキッチン。豊富な自然に囲まれた環境では、シンプルが一番似合います。

  • キッチンのすぐ横には食品庫。生活感が出てしまいがちな家電製品も収納できて使い勝手は抜群です。

  • 家事室。そのまま干しておける広さ。毎日のお洗濯も、天候に左右されることはありません。しかもこの景色を眺めながらの家事の時間は、心にゆとりと癒しまでもたらしてくれそうです。

  • 市街化調整区域であるが故の問題を解決しつつ、そのメリットを最大限に引き出す工夫を凝らした設計で実現したお施主様の新しい暮らし。バリアフリーの配慮、高気密高断熱の設備、耐震等級3という、石原工務店が自信をもってご提供する家づくりで、これからもお施主様をサポートできる家であり続けたいと思います。

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